最近よく聞くようになった自律神経という言葉。 何となく知っているようで実はよく知らないという人が多いと思います。 この自律神経というものが乱れると体が不調を感じるらしいですが……では具体的に乱れるって何なんでしょうか?
まず自律神経というものについてお話をしましょう。 人間の神経は意識出来るものと出来ないものの二つがあります。 身体を動かしたり、何か刺激を感じたりというのは意識できますね。 これを体性神経と呼びます。 反対に「動け!」とか「あ、動いてる!」という風に活動を意識できないもの……これが自律神経です。 自分で勝手に動く(自律)してるから自律神経なんですね。
では、どんな風に動くのでしょうか?
自律神経には“交感神経”と“副交感神経”と呼ばれる二種類の神経が存在しています。 これもよく聞く名前たちですね。 彼らは主に内臓へ働きかける神経たちで「頑張れ!」と応援したり「休憩しよう?」と言ってくれたりします。 内臓は彼らの声を受けて働いたり休んだりするわけです。
ところが何らかの影響でこの交感神経と副交感神経の声掛けするリズムが乱れたとします。 そうすると内臓はいつまで経っても働き始めたり、あるいは休んだり出来なくなります。 内臓の動きは睡眠のリズムや免疫に影響するだけではなく、集中力や気持ちの浮き沈みにも関係してきます。 こうやって交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい、それが不調として表面に出てくるものを自律神経の乱れと呼ぶんですね。
では自律神経は何が原因で乱れてしまうのでしょうか?
これには諸説さまざまなものが挙げられますが、その中の一つとして身体のバランスが関係していると考えられます。 では、そのバランスというのは姿勢の問題なのか、あるいはよく言われている骨のズレや歪みなのか……。 確かにそれらも大事なバランスの一つではあります。 しかしもっと根本的なバランスがあるのです。 それは私たち人間が本来持っている気付かないような小さな身体の動き。 すなわち自律したモーションのバランスです。
自律神経失調症を患う多くの方々はこの身体本来が持っている自律的な動きのバランスが乱れています。 それは姿勢が原因であったり、それこそ骨のズレや歪み、あるいは生活様式やストレスといった心的なものが原因であることもあります。 いずれにせよ、その乱れてしまった身体のモーションバランスを元に戻してあげないことには自律神経はなかなか本来の働きを取り戻せません。 我々が言う『身体のバランスと整える』とは、このミクロな身体の動きを感じとって、元の動きへ戻すことを言うのです。 |